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音楽倉庫−感想編 音楽倉庫−感想編

曲名ヘンデル ヴァイオリン・ソナタ第3番ヘ長調op.1-12より 第1楽章・第2楽章
感想
 ああ・・・今年の発表会も無事終わりました。 とりあえずお疲れさま、終わってめでたしめでたし! 以上終わり、というような適当な感想を書いて終わらせたくなるような、そんな今年の発表会でした・・・?

 この曲を最初に弾いたのは、バイオリンを習い始めて3、4年経った頃だったでしょうか。 スズキメソードの6巻で、ソナタとして教本で一番最初に出てきます。 ヨゼフスークのCDを買って、飽きるほど聴きました。
  レッスンでは、セカンドポジションを多用した教本のフィンガリングがすごく難しく、もっと弾きやすい指使いでいいよ、と先生が言ってくださり、自由に弾かせていただいたのを記憶しています。 曲も全部暗譜してしまい、1楽章の、とてもおおらかで格調高く、慈愛にあふれた雰囲気が大好きで、レッスンが終わってからも折に触れて一人弾いてみていた、お気に入りの曲です。

 1年前、今年の発表会の曲を決めるとき、チェロの伴奏譜を持っていることもあって、相棒と一緒に弾けるこの曲にします、ということで練習を始めました。 しかし、発表会が終わった今、気持ちの中に残っているのは、うーん、なんて難しい曲を選んでしまったんだろう、という、少々苦みを含んだ思いなんですよね。なぜか。
 ・・・なんて書くと、おととしのヴィヴァルティのように、緊張のあまり曲の途中で立ち往生でもしたんか、と言われそうですが、それは全然違います。 どう考えても本番の演奏が一番まとまっていた。 途中で止まることもなく、音程の狂いもリハーサルよりずっと少なかったし、それほど緊張に震えるという心境にも陥らなかった。 この3番は曲自体があまり有名でないことに加えて、比較的抑揚の少ない曲調なので、ダイナミクスは非常に大切だったのですが、そこも本番ではそれなりに努力したと。 多分、「発表会」的には、今までの練習の成果を発揮できていた、と思います。 弾き終わった後は、自分なりに努力した結果を発揮できた、という達成感も味わいました。(もちろん、客観的にどうだったかは最初から横へおいといて、の感想ですが。)

   じゃあ何が気に入らないのか・・・・結局、練習・本番を通じて、自分がイメージする音や音楽を、思い通りに形にできる力が、自分にはまだ全然ないんだ、ということを痛感したから。 そして、多分、そういう力を身につけることはこれから先もできないかなあ、ということに思い至ったから。 これに尽きるのです。
 まず楽譜通りに音を出すことがきちんとできなければいけない。 でもまずそこにたどり着くことがどれ程困難なことか。 そして、それができても、それだけでは音楽にはならないのです。 自分がこの曲についてどういう考えを持っていて、それを表し、伝えるためにどういう音を用いてどうするか、という部分でちゃんとした考えを持たないとだめなんだなあ、って。 この曲が好きで、弾いて楽しんでいた以前の自分を否定する気持ちは全くないのですが、 はあ、何もわかっていなかったんだよね、って。 

 発表会というのはそういう場ではないでしょ、と言われそうですね。 演奏家になろうと思っているわけでもないのだし。 もちろんそうです。 発表会は、人前で練習の成果を発表するという、普段ない状況を経験する貴重な時間。 他の人の演奏も聴き、自分と同じように楽器に取り組んでいる人たちに励まされ、感動したりはらはらしたり、楽しい時間を過ごして、ひと区切りをつけてまた前に進んでいく気持ちを新たにする。 毎年、終わったあとは、今年も参加して良かったな、と思います。  今年もやはり、そうなんです。 しかし、今年はこの苦い思いが、心の中で大きな存在感を持っている。 決していやな苦さではなく。
 だから楽器を弾くのがいやになったとか、そういう心境では全くないのです。 楽器を弾くこと、楽器を通じて音楽にふれることを、もっと楽しみたいし、経験したい。 そしてもっとこだわって、努力して、素晴らしい音楽のかけらでいいから自分自身のものにしていきたいと思う気持ちがますます強くなっています。 音楽が私に経験させることの大きさは計り知れないものがあります・・・これって、多分もう、やめられない、ということなのでしょうね。  (2004.8.4)

演奏会の名称奥田ヴァイオリン教室 発表会
弾いた日2004.7.31
弾いた場所いたみホール 多目的ホール
他の演奏曲W.A.モーツァルト アイネクライネナハトムジークより第1楽章(弦楽合奏) 

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