| 曲名 | J.ブラームス ハイドンの主題による変奏曲 変ロ長調作品56 |
| 感想 |
昨年、オーケストラでブラームスの交響曲第1番を弾く機会があり、そのときにも感じたことですが、ブラームスの音楽って、独特の「匂い」みたいなものを感じます。 じっくり練りに練って技巧を尽くして創られているのに、なぜか「野生」とか「自然」とかの生々しい匂いを感じるような気がする。 この「ハイドンの主題による変奏曲」は、変奏曲の名手と言われたブラームスがその真髄を見せた名曲、と言われているそうです。 最初の主題のあと、8つの変奏が続きますが、私が一番好きなのはやっぱり最初の主題のところ。 ・・・ここはずっとお休みだから、というわけではありませんヨ。 チェロとベースのピチカートの上で管楽器が奏でるとても平和で素朴な旋律は、何か、暖かい日差しに満ちた場所と、日向の匂い、みたいなものを思い起こさせます。 心の中からじわっと暖まってくる感じ。 続く変奏はどれも非常に技巧を尽くしたもので、今度は流れる水とか良く肥えた土の匂い、森の中の樹木の息づかいや疾駆する動物の激しい動悸、いろんな想像をかき立てます。
演奏者には相当なテクニックが要求される・・・と思います。 素人が安易に手を出せる曲ではないと感じました。 もちろん、アマチュアは演奏の完成が目的ではありません。素晴らしい曲があれば、どんな曲でも自分のためにそれを手にすることができるのがアマチュアならではの喜びでしょう。 でも、やはり難しい曲に取り組むならば、十分に時間をかけてじっくりやって、それで初めて練習を楽しみ、充実感を得ることができるのではないでしょうか? やり始めて2ヶ月ほどで舞台に乗せて、はい終わり、それって何だかちがうのでは? ・・・そんな疑問が練習中ずっと頭の中から払いのけられなかった。
冒頭の主題はヴィオラはずっとお休みなので、本番中は演奏者のみなさんを密かに観察・・・すると、チェロのトップサイドで弾いているO君に目が留まりました。 彼は私より少し遅れてオーケストラに入団した大学生。 私と同様、オケは初めて、周りのベテラン勢に懸命にくっついていっている状態ですが、練習が楽しくて仕方がない、と、練習帰りの電車の中でいつも熱い思いを語ってくれます。 背筋を伸ばし、実にいい表情で弦をはじいている。 ひとつひとつのピチカートを、とても大切にいとおしく思って演奏しているのが伝わってきました。 |
| 演奏会の名称 | 兵庫県交響楽祭 |
| 弾いた日 | 2006.9.17 |
| 弾いた場所 | 兵庫県立芸術文化センター 大ホール |